石仏 |
石 仏 分 布 図 |
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石仏解説 |
市内には寺社の境内や道のかたわらに数多くの石仏がみられる。
これらは、江戸時代を中心に、地域の講や個人により造立されてきたもので、信仰深き時代の庶民の姿をいまに伝えている。
市内の石仏のうち、もっとも多く造立されているのが「地蔵菩薩」と「馬頭観音」で、それにつづくものが「庚申塔」。その他、少数だが「不動明王」や「聖観音」もみられる。
このうち、「地蔵菩薩」を造立にかかわる地蔵信仰には、日々の暮らしのなかに襲い来る災いを、講という人々の集う結びつきのなかで防ごうとする姿が映し出されており、子を失った親が、消え去ることのない悲しみを地蔵菩薩にすがり癒したものさえある。また、「馬頭観音」にも江戸時代の助郷という伝馬の制度のなかで輸送の苦楽を共にした愛馬を想いやる、人と動物の深き関係があらわれており、そうした石仏の一つひとつに清瀬に暮らした先人の想いが浮き彫られている。 |
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地蔵菩薩 |
釈迦入滅後の無仏の世にあって、「地蔵菩薩」は、悪行を犯し
地獄(怒)
餓鬼(欲)
畜生(愚)
修羅(闘争)
人間
天上(喜悦)
といわれる〈六道〉に輪廻転生する人々を救うといわれる。
その信仰は、平安時代の末法思想を背景とする地獄への恐れが説かれるなかで広まり、江戸時代には民間信仰化して延命・子育・火防・盗難よけなど、庶民の願いを聞き届ける仏として厚い支持をえた。
市内各所にみられる「地蔵菩薩」の石造には、〈六道〉のそれぞれに地蔵を配した「六地蔵」。また、賽河原に石を積む童を邪魔する鬼を追い払う地蔵尊の物語から、子を失った親たちの信仰をえて、その深い悲しみを背負う「子育て地蔵」もみられる。 |
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庚申塔 |
人の腹中に宿るという〈三尸〉虫が、六十日に一度づつめぐりくる庚申の夜、眠ると体内から抜け出て天帝のもとへ行き、その人の罪過を告げるので早死にさせられるといわれ、長命を願うなら眠るな、という中国道教の教えによる信仰。
平安時代に上層階級に広まり、江戸時代には全国に〈庚申講〉が組織され、その夜は、夫婦の営み、また夜仕事、結髪、肉・ニラ・ネギ等の臭いの強い食材を食べることが禁じられてもいた。
石塔には、庚申の主尊である二鬼を踏む青面金剛王が彫られ、山王信仰の猿が「庚申」の「申」と習合した〈三猿〉、それに魔障を防ぎ朝を告げる〈二鶏〉を配したものが多い。 |
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馬頭観音 |
悪行を行う者を正しい道へ導く、といわれる観音。〈六道〉のうちの〈畜生道〉に苦しむ衆生の救済にあたるため、馬の頭をいただき、馬のように苦悩を食らいつくし、世界の隅々まで駆けめぐって邪悪を踏みくだき、衆生の悟りを成就させるといわれる。
そのため、この観音は頭上に馬の首、鋭い三眼に火焔を放つ口、牙に獅子のたてがみに似た頭髪という恐ろしげな表情をもつ。庶民に馬の守り神としての信仰を得、愛馬の冥福を祈って造立されたものが多い。 |
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不動明王 |
災難即滅の強大な力をもつことから、修験道の本尊とされ、修験者により諸国へ広められ、江戸時代の庶民に深く信仰されていた。
仏の柔和さでは、導くことのできぬ強情 な人々を、如来の化身として過大な怒りの形相 をもって説き伏せる。その姿は、一切の煩悩を焼きつくす焔光を背に、悪を打ち砕く利剣を手にして牙をあらわにした片眼半開の形相として彫られている。
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聖観音 |
馬頭観音や如意輪観音・千手観音は、この観音から変化したものと考えられており、最初にあらわれた観音という意味から聖(正)観音と呼ばれている。
現世利益をもたらす観音は、その身を変えて人々の苦悩を聞きだして自在に救済してくれるということから、平安時代から盛んに信仰され、西国三十三霊場も開かれている。その優しい姿から女人の信仰を集め、女子の墓石にこの聖観音を刻むことも多い。
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阿弥陀如来 |
浄土教の本尊で、極楽浄土で今も説法しているといわれる仏。
念仏を唱えれば極楽へ往生できるという他力本願により、法然上人の開いた浄土教以来、親鸞上人の浄土真宗、一遍上人の時宗などにより広められ、「南無阿弥陀仏」の名号とともに多くの人々に信仰される。 |
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